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490 名前：名もなき人 [14/04/05(土) 09:54 HOST:p184.net042127032.tokai.or.jp]
白に足跡


真ん中あたりでいつも
止まってたパーカーのファスナー
今日は上まで引っ張って
ミノムシみたく寒さをしのぐ

たかが冬の気象現象なのに
見慣れた街は　まるで別世界の様
君も横にいればいいのに

雪の上を誰かが歩いて
その道にまた僕の足跡がつく
隠さなければ浮かび出てこない
僕らの積まれた日常も
たった２センチの現実に深く埋められて
また思い出が溶かしてった

あんなに分かり合っていたけれど
見えない心に　本当は不安で一杯で
お互いそれに気付きはじめた

今は暗闇の中で眠る虫や花のように
みんな春を待っている
君は横にもういないけど

雪の上を誰かが歩いて
その道にまた僕の足跡がつく
光の感覚を忘れた頃を狙って
アイマスクを外して
ずっと保ってた盲目が急に紐解かれて
戸惑いながらも進まなくちゃ

最後の一粒の雪が
そっと僕の手のひらに乗っかった
ほんの一瞬でその姿を消して
ぼんやりした夢から覚める

僕が歩いた道の上から
また別の誰かの足跡がつく
隠さなければ逆に見失い
今日まで過ごしてきた日々も
たった一晩の幻想に深く埋められて
そして季節が流れてった


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